ブランディングとSEOとUX

ブランディングは顧客との信頼関係による、長期的な関係の構築を目指します。

SEO対策もブランドが提供する情報の信頼性や価値を感じてもらい、ブランドの成長につなげる効果があります。

SEO対策を通すと、WEBサイトなどインターネット上のツールを顧客に利用してもらうことになります。

そのWEBコンテンツに触れたり、サービスを利用することは、ブランドを利用する体験であると大きく見ると言うことができます。

この顧客がする体験をUX(User eXperience)と言い、ユーザーが操作するインターフェースの設計と合わせて、UI/UXと表現されることも多いです。

UIは操作などの体験によってユーザーに価値を提供することで、UXは操作も含めブランドを利用することで顧客が体験する一連の流れというもので、UIはUXの一部となります。

そんなこともあり顧客への新たな価値提供の方法を見出し作り上げるために、UXの設計の重要性については様々なフレームワークでも触れられていると思います。

そこで、UXの向上がブランディング戦略やSEO対策にどのような効果があるのかについて、書いてみます。

UXの向上によるブランディング戦略とSEO対策への効果

UIとUXの関係について、顧客が体験する一連の流れ、と書きましたが。

もう少し書くと、UI(サービスや商品、ツールなど顧客が実際に利用したり手に取るもの)に到達するための行動や、それらを手に入れた後にとる行動に対してどのようなアクションを起こすか。

というようなことがUXの設計にあたります。

これをブランディング戦略やSEO対策に当てはめるような流れを考えてみると。

顧客がどのようにブランドを認知し、その時にどのような感情を抱き。

ブランドへの興味を持つようになり、そのブランドについて詳しく知ろうとインターネットで情報や評判を調べ。

そこからブランドへの信用が生まれることで、ブランドが提供するものを実際に利用し。

その後のブランドからのアクションなども含めて、ブランドとの関係性を構築し。

自分がした一連の体験を共有する。

という感じです。

つまり、ブランドの存在を顧客に届けるためにSEO対策は重要ですし、そのWEBサイトに施すUI改善などの施策はUXの向上にあたります。

そして、これら一連の流れは、ブランド・アイデンティティなどの掲げる信念や実現したい内容に沿ったものとすることで、一貫したブランドの持つ個性的な価値を反映するものとなります。

顧客がブランドと持つ接点において、価値のある体験をできるようにすることが、UXの向上ということになります。

つまり、ブランディング戦略・SEO対策・UX向上の3つに共通していることは。

ブランドのことではなく、顧客の事を徹底的に考えるということです。

どうすれば顧客のニーズを満たすことができるのか?

そのための体験をどのように提供できるのか?

考え抜くことで、ブランドへの信頼を生むことができるようになります。

とはいえ、いきなり3つの関係性から考えるとかなり煩雑になるので。

2つずつの関係性について見てみます。

UXとSEO対策

SEO対策とは、ざっくりと「顧客が価値を感じる情報やツールを扱っているWEBサイトである」ことを、検索エンジンに知らせるための対策です。

顧客に対し、自分が提供できる価値を、インターネットが発達した今だからこそ効率的に伝えるための手段とも言えます。

実際、検索大手のGoogleが検索結果に表示する順番を決める指標として、実際にWEBサイトに訪れたユーザーの行動を表す数値を考慮するようになっていますし。

情報提供元の信用性や権威性を図る指標も利用している、という情報があります。

単純な話、Googleを情報検索サービスとして捉えた場合、検索結果に表示されたWEBサイトで必要としている情報が全く表示されなかったり、使いにくいサイトであったりすれば。

自然とGoogleで情報を検索しなくなるでしょう。

つまり、そのようなWEBサイトをGoogleが情報として提供すると、Google自体の信用に関わってしまうわけです。

なので、SEO対策によってブランドの情報源となるWEBサイトの信頼性や権威性、利便性を高めることは大切なのです。

もちろん検索エンジンのために行うというよりも、顧客の事を考えた施策を行った結果、SEO対策になっている場合もありますし。

逆に、顧客のために実施する改善策として、SEO対策の手法を基準として利用するということもあります。

これをUXという観点から考えると、主にWEBサイトを利用する時に顧客にストレスを感じさせないか?ということになります。

できることを箇条書きで書くと。

・WEBサイトのパフォーマンス改善
・モバイルフレンドリー対応
・見やすく使いやすいデザインと機能
・ユーザー行動を分析すること

と言ったものです。

UXとブランディング戦略

冒頭で少し書いた内容と重複してしまいますが。

ブランディング戦略は顧客との信頼関係を築くために実施する一連の行動です。

そして、UXは顧客に価値のある体験を提供するために設計するものです。

ブランディング戦略もUXも、顧客に対してどのようなアクションを起こすか?、を決めて実行するものとも言えます。

つまり、顧客の体験について考えるUXを向上させるということは、ブランドイメージの形成や強化に直接関わるものなのです。

実際の商品や店舗、企業の雰囲気、使用する広告など、ブランディング戦略として立てるものは多岐にわたります。

そして、それぞれの顧客とブランドの接点で、信頼性や好印象を与える一貫性のある体験を提供できるように設計します。

そのような体験をすることで一時的な満足ではなく、またブランドを「利用したい!」というファン化を促すことができます。

この体験の力というのは、すでに至るところで受けることができます。

自分はコーヒーが好きなんですが。

コーヒーを飲むという体験をするだけなら、例えば豆を買ってきて自分でいれる事も体験です。

1袋で500円くらいだとして、自分が望む分だけ飲めます。

1杯あたりの単価は・・・十数円ですかね。

しかし、いつでも自分の飲みたい時に、マイミルマシーンやコーヒーメーカーがあるわけではありません。

そこで外で飲む場合に、コンビニなどで1杯120円ほどで飲むことができます。

手軽にコーヒーが楽しめるので、よく利用していますw

これは、飲みたい時に飲みやすく。

コーヒーを淹れる手間を省いてくれているので、この単価でも利用してしまうわけです。

これも一種の体験の提供ですね。

さらに、喫茶店に行くとコーヒーは1杯400円とかになります。

コンビニのコーヒーと比べると金額が3倍となるわけですが。

その喫茶店で味わえる雰囲気や、提供されるサービスといった付加価値が含まれているわけです。

このように、顧客は体験によって感じる価値が変わります。

これをブランドがどのような信念で提供し、どのような体験をしてもらうのかを設計するわけです。

ブランディング戦略において、UXの向上は避けては通れないのです。

3つをどう活かすか?

それぞれの関係性について書いてきましたが、ブランディング戦略・UXの向上・SEO対策は同時に関係し合っています。

ブランドの認知を進めるにあたり、インターネットの力を利用しないという選択肢は考えにくいでしょう。

どうであれば、用意するWEBサイトに対してSEO対策を施すのは当然です。

そのSEO対策として根本にあるのが、ユーザーにとって価値のある情報を提供し続けていることです。

ユーザーがWEBサイトを利用することで、価値のある体験をすることができ、ブランドを信用します。

そして、信用性が増し価値のあるWEBサイトであると認められれば、顧客との接点が広がります。

SEO対策により情報だけでなく、利用についても価値のある体験が積み重なり、ブランドへの信頼やブランドの利用につながるわけです。

その体験をインターネットを通じて共有することでも、新たな顧客との信頼関係を結ぶきっかけにもなります。

それらの体験をできるように、顧客の事を徹底的に考え、一連の流れを設計し、そこに対するアクションを行っていきます。

その根幹にあるのが、ブランドが顧客に対して示す信念や価値観というものです。

信念や価値観に対する共感によって信頼性が高まり、ブランドを再度利用したいと思ってもらい。

ブランドと顧客の信頼関係を強くしていくのです。

なので、ブランディング戦略・SEO対策・UX向上は、それぞれを別の施策として考えるのではなく。

一貫した顧客への価値のある体験の提供方法として考えましょう。

実際に行う作業はスポットだとしても、「なぜそれを行うのか」という目的意識が変わって来ます。

目的意識が変われば、自然とその心意気が反映されます。

考える起点は、ブランディング戦略でも、SEO対策でも、UXでも構いません。

それぞれがどのように関連し、どのような目的があって、実施するのかを明確にしましょう。

ただ、実際に顧客に近いUXからだと、考えやすいと思います。

UXが変わればUIが変わり、顧客の行動が変わり、SEOの評価が変わり、ブランドへの信頼が変わり。

そこから新たな改善点が見つかり、さらに良い体験を提供できるように調整する。

・・・という、良い循環を作り上げることができます。

そして、それらに気づけるデータを見る目も養うことも必要でしょう。

ユーザー体験に集中する

途中で書きましたが、顧客同士で情報を共有するなど。

顧客自身で、体験したことを手軽に発信することができ。

そして、それがブランドの評価となり、インターネット上での評価に直結するようになっています。

そのため、ユーザーに焦点を当てた設計はより重要なものなのです。

ターゲットとなる顧客が価値を感じる体験をできるように、ブランドを提供するために。

UXの向上は大切な取り組みなのです。

次回は、実際に取り組める内容について書いてみようかと思います。

考えるきっかけ:Googleは「ブランド優遇」SEOの成功の鍵はブランディング