【読書記録】人望が集まる人の考え方(著者:レス・ギブリン 訳:弓場 隆)|良い人間関係の構築の秘訣

今回はアメリカの心理カウンセラー、レス・ギブリン氏の書いた、世界的名著と言われている「人望が集まる人の考え方」です。
出版元のディスカバーの本が結構好きなんですが。
出版社名で買ったものの、1年ほど積読したままにしてました。
自己啓発系の本を読む量が減ったこともあり、ほかの新書や文庫を読み進めて来ましたがー。
少し対人関係に悩むことがあり、色々と情報収集していた中で、積読リストでこの本を買っていた事を思い出し。
読んで見ることにしました。
読み終わった今では、自分から抜け落ちていた感覚や視点、足りなかった考え方などを補ってもらえたなと。
読んで良かったです。
どんな本?
私達が生きている中で一度は考えるのが、どうやって成功を収め幸せになるかだと思います。
人間は社会的な動物なので、成功や幸せを考える時に、他人との関わりを避けることはできません。
そのため、良い人間関係を築くことが成功と幸福の秘訣であると、この本では書かれています。
成功は他人との関わりの中で生まれ、他人との関係性によって幸福を得る。
そのように成功や幸福を追い求める自分自身が、関わる人に好意を抱いてもらうことを求め、自分を受け入れてもらうことを望み、自分のことを認めて欲しいと思っているのと同じように、相手も求めている。
これが、良い人間関係を築くために覚えておくべきことです。
その考えのもとになる人間の本性や対人関係のルール。
行動する時に気をつける事などを、丁寧に教えてくれていて、巻末には行動に移しやすくするためのチェックリストもついています。
活用し続けることで、前向きな人間関係を築けると感じさせてくれます。
良い人間関係とは?
ここからは、自分の心に残っているところを、ざっと紹介します。
まず、この本でいう「良い人間関係」とは何か?です。
仲良くすることや、気を使わないことなど。
人によって「良い」の意味は変わってくると思いますが、この本での定義が。
自分が求められていることを引き換えに、相手が求めているものを与えられる関係
はじめに P.6
となっています。
人間が行動を起こすときは、何かしらの欲求に従っているものですが。
この欲求を満たしたいなら、相手の欲求を満たすものを与えるという関係性が、良い人間関係ということです。
この互いに求めているものが、自尊心を満たすことで。
それを、「人間関係の4つのルール」として紹介しています。
人間関係の4つのルール
<中略>
1 すべての人は程度の差こそあれ自分本位である。
2 すべての人は自分に最も強い関心を抱いている。
3 すべての人は自分が重要だと感じたがっている。
4 すべての人は他人に認められたいと思っている。第2章 人を動かす基本的な秘訣 P.36
この前部分で、自尊心を満たすことがいかに重要かについて書かれています。
なので、これは自尊心を満たすために人間が他人に対して抱く欲求であるとも捉えられます。
1と2については、自分自身でコントロールする部分の自尊心ですが。
自尊心を満たすには、3と4のように他人でなければ満たせないものもあります。
そのため、人と関わりを持つときは、相手がこのような「本性」を持っているということを把握することで、どのような行動をしなければならないかが見えてきます。
それを「良い人間関係」に当てはめると。
人間関係のおける「物の道理」とは、<中略>相手の自尊心を満たす方法を実行することだ。
第2章 人を動かす基本的な秘訣 P.44
ということになります。
相手が先
なぜ自分の自尊心を満たすために相手の自尊心に注意を払わなければならないかというと、そこに心理学の法則があります。
人間は相手の行動と態度に対して同じように反応するという心理学の法則がある。
第4章 他人の行動と態度をコントロールする方法 P.68
この法則に従うと、「相手の自尊心を満たす」行動が先に来ることがわかります。
つまり、「人間関係の4つのルール」の3と4を意識的に行うことで、巡り巡って自分の自尊心を満たすことができるということです。
その「相手の自尊心を満たす」力は私達の誰もが持っていて、それを本書では「隠れ資産」と呼び、惜しみなく提供するように進めています。
あなたが持つ「隠れ資産」の効果を具体的に説明しよう。
・あなたは他人の価値を認める力を持っている。
・あなたは他人が自分を好きになるのを手伝う力を持っている。
・あなたは他人を受け入れて大切に扱う力を持っている。以上のとおり、あなたは人々が求めてやまない莫大な「隠れ資産」を持っているのだ。
第3章 自分の「隠れ資産」を有効に使う方法 P.48~49
相手の重要さや価値を認めることは、関係を培っている自分にしかできないのです。
この部分からは、相手に意識を向け良く知る事と、その事を伝える行動が必要であることも読み取れます。
なので、このあとの各章で、具体的にどのように相手に意識を向け、そこから得た相手の情報に関する好意を行動で示し伝えるのか。
一つずつ丁寧に、具体的に教えてくれています。
自分を変える
自己啓発系の本でよく見かけるのが、「相手が変わることを期待するよりも、自分が変わる方が効率的」、というものです。
コントロールしにくい相手を変えるための労力を掛けるよりも、コントロールしやすい自分に労力をかけた方が、物事がうまく行くということですが。
今回の人間関係にも当てはまります。
もちろん、自分の意識や行動を変えて、相手に本書で進められている対応を下としてもすべての人と良い関係を築けるとは限りません。
バックグラウンドが人それぞれ違いますし、相手のもともと持っている自尊心の量も関係してくると思いますし。
しかし、自分の意識や行動を変えることで、少なからず良い人間関係を築ける確率が高まると、本書を読んだ後に思いました。
実際、現代ではネットワークの発達により、国境を超えた広大な人間関係のネットワークを築けてしまいます。
その膨大な他人に対して、一である自分を認めてもらうように意識や行動が変わることを求めるのは、流石に無謀です。
一である自分を認めてもらえるように意識や行動を変え、関わった相手に対して自尊心を満たすように行動する方が、比較的早く良い人間関係を築けるでしょう。
膨大な他人に幸福を与えることで、膨大な幸福を他人から貰えると考えると、なんだかハッピーになってきます。単純すぎますかね。
ただ、そのように自分を変えることが一番むずかしいのも事実。
なので、繰り返すことが必要です。
意識と行動の繰り返し
運命的な出会いとか、波長が合うとか。
そういった特別な何かを感じる相手でないと、良い人間関係を築くのは難しいかもしれません。
それに、毎日同じ人だけと接するわけでもありませんし、初対面の人とも良い人間関係を築けるようになりたいとも思うでしょう。
それをわかりやすくするために、本書ではPart1の第1章から第3章で説明した理論やルールを、状況や相手との関係性を変えて繰り返し教えてくれているという印象です。
どの内容でも、意識し、集中し、行動に示すという流れで説明されているので。
読みながら、その考え方や行動方法が身につくのではないかとも思えます。
なので、互いの自尊心を満たす良い人間関係を築く秘訣は。
意識することで、相手を受け入れ
集中することで、相手の重要性や価値を認識し
行動することで、相手を認め・評価していることを示す
ということを繰り返すことであると、教訓を得ました。
ただ、これを難しくするのが、相手あってのものだということですね。
自分の行動を変えてもなかなか思うような反応を返してくれないかもしれません。
そうすると、意味を感じなくなったり、失望したりして心が折れてしまう可能性もゼロではありません。
なので、まずは自分自身が関わる人達と良好な関係を築きたいと強く思い、築けるということを固く信じるというメンタルセットから始めることが大事なのかもしれません。
そして、その成功体験を積むために、信頼できる身近な家族や友人に対して自分を変え。
徐々に他の人に本書の内容を実行してみるというのが良さそうです。
最初は実際に言ったり行動に示すのが気恥ずかしいかもしれませんが。
意識することだけでも変えれば、興味や感情の方向性が変わり、自然と行動が変わると思います。
そのように行動が変われば、さらに意識も変わり・・・という自分の中に良い循環を作れるでしょう。
本書にも、
感情が行為を決定するのと同じくらい行為が感情を決定する。
第7章 相手とすぐに打ち解ける方法 P.140
とあります。
意識で感情を従わせて行動すれば、行動に感情がついてきます。
日によって気分が乗る乗らないはもちろんあると思いますが、行動からはじめることで意識を引っ張っていくこともできます。
そのように自分自身を訓練し変えていけば、相手も少なくとも自分に対しては変わってくれるでしょう。
そんな関係性を増やせたら、毎日が楽しいかもしれません。
人生の悩みの殆どは人間関係
冒頭で人間は社会的な動物だと書きましたが。
ひどく落ち込むことや、なかなか晴れない悩みの原因となるものは、人間関係です。
それがひどくなると、病にかかったり、人との関係を持つことが億劫になってしまいます。
しかし逆に、嬉しいことや楽しいことをもたらしてくれるのも、人間関係です。
娯楽などの一時的なものとは違い、人間関係によってもたらされる嬉しいことは恒久的なものでもあります。
自分自身が前向きな変化を遂げることで、周りの人達へ良い影響を与えられるのであれば、ぜひ取り組みたいものです。
継続するために、小さな事から少しずつやっていかないとなと。
少し心が軽くなった私でした。
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