【読書記録】メンタル脳(著者:アンデシュ・ハンセン )|分かりやすく脳の仕組みを説明している本

2025年1月8日

スマホ脳」という本の存在は知っていましたが、読まず嫌いをしてました。

ベストセラーを読まないというのもあれですが、今回の本「メンタル脳」は「スマホ脳」をティーンエージャー向けに書き直した本だそうです。

著者のアンデシュ・ハンセン先生が精神科医だからか、読みやすい文章でスッと入ってきます。

ティーンエージャー向けだから、尚更かもしれませんが。

脳の仕組みを知りたいと思った方の、入門書に良い本だと思います。

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AIの勉強のついでに

G検定やAIに関する記事をいくつか投稿してますが。

「AIは脳の研究である」ということを聞き、ハッとしてから脳の仕組みや脳科学についての本も読むようになりました。

その一環で読んでみることに。

・・・まぁ、この本の前まで、橘玲さんの本を読み続けていたので。

もう少し気軽に読める本が・・・というのが本音ですw

心の不調は脳から来て体に現れる

自分たち人間の行動の元になっているのは感情です。

感情に動かされて、自分の興味に従った行動をしているはずなんですが。

内から起こる感情だけではなく、外の影響で起きる感情により、がっかりしたり落ち込んだりします。

それが続くと、何かしらの不調を抱えることになります。

「病む」とか「メンタルが〜」とか言ってられたものが、それすら言えない状態にもなりかねません。

この本によると、そのような心を動かす感情は、脳が生み出しているとのことです。

感情を生み出すことで、行動をコントロールし、脳の所有者が生き残れるように連携していると。

この様に書いていて気づきましたが、自分たちは脳の動きを忘れて、感情→行動というように感じていますが。

中心にあるのは脳なんですよね。

なので、著者のハンセン先生は、そのような軽い感情の変化から、具体的な身体症状を伴うメンタル不調である、うつ病やPTSDといったものを元に、脳の働きを分かりやすく解説しています。

このように、自分を守ろうとしてる脳自体は、1万年前の狩猟時代から変わっておらず。

大昔よりもはるかに安全になった現代と、それによって現れた新たな危険を、判別することができていないと言います。

そのため、それら変化に合った感情ではなく、1万年前の反応を感情として生み出しているため、メンタルに影響を及ぼし、現代の社会生活を生き難く感じさせているそうです。

この仕組みを知るだけでも、ホッとする人が多いのではないかと思います。

ある意味、科学の進歩により明らかになった脳の仕組みによって、自分自身を赦すことができる一つの視点だと感じたからです。

脳科学という少し難解に感じるかもしれない内容を、優しさを感じるわかりやすい文体で書枯れているので。

読みながらホッとし、内容を知ってホッとする。

そんな暖かさを感じました。

脳と感情と体の関係を知って

自分を赦すことはできても、それでも何かを変えなければ、メンタルの不調になる原因は続いてしまいます。

しかし、脳は臓器だし。最近では遺伝が全てということも聞くし。

どうしようも無いじゃないか。しょうがないじゃないか。

と思うかもしれません。

そのように開き直る・・・諦めるのも、一つの手だとは思いますが。

うつ病の治療に運動が効果的であることに、ハッさせられました。

自分はおかげさまでメンタルの不調を抱えていないので、詳しくは正直分かりません。

しかし、人見知りなので良く緊張します。

緊張のようにストレスを感じる状況になると、普段は感じない胸のドキドキを感じるものです。

メンタルの不調を抱えると、心拍数が上がる身体症状が出るとのことで。

自分はその状態に置き換えて読み進めましたが、心拍数が上がる=危機を感じすぐに行動できる状態、と捉えられると。

危機を感じる状態が長く続くことで、メンタルに影響が出ます。

つまり、心拍数が上がる=危機的な状況であると、脳がカラダに警告を発しているのです。

同じ様に心拍数を上げる行動が、運動です。

運動自体は、心拍数が上がっても気持ちが良く、爽やかに感じるものです。(個人差はあります)

なので、同じ心拍数が上がるという身体症状でも、真逆の状態とも言えます。

つまり、運動により心拍数を上げる行動を取ることで、心拍数が上がっても危険ではないと脳に学ばせることができるということです。

先程も書きましたが、脳は1万年前の状態のままで、現代の危機も紀元前の基準で判断します。

そのため、脳に危機ではないことを知らせることが有効であるとされています。

それをできるのが遺伝でも何でもなく、「意志の力」であると、本書では説明されています。

これは一生懸命勉強を頑張るということではなく、知ること、つまり、どんなことを脳が脅威と感じるかをしり、それに対する対処法を知るということです。

そのようにして、意志の力を使って行動を矯正し、脳に危機ではないことを知らせ、学ばせることができるのです。

ただし、それは自分ひとりで頑張らなければならないということでもありません。

脳の仕組みと社会について扱った本で書かれているのは、人間は社会的動物であるということです。

つまり、人間は共同体、人と人との関わりの中で行きていくしかありません。

その中で、助けを求めるという行動を取り、関わりの中でお互いに対処する事が進められています。

しかもそれが、勇気ある行動として、本書の中で書かれています。

確かに、人間社会の中で助けを求めるような、弱みを見せる行動というのは恐いものです。

人は自分と他人を無意識でも比較しているので、弱みを見せたくないというのが普通でしょう。

なので、それができるのは勇気のある証拠であると。

なるほど!と思うとともに、急に将来が明るくなったようにも感じましたw

我ながら単純ですねw

このように、脳と感情とカラダの関係を知ったからこそ、どのような行動を選ぶのか。

選ぶなら、自分をより良くする方向を選びたいものです。

落ち込みはじめに読みたい本

と、今回はあえて本文を引用せずに、書いてみました。

自分の中で消化したものを、自分の文章で書く方がしっくり来たからなんですが。

この本はティーンエージャー向けに書かれたと冒頭に書きましたが、メンタルの不調により健康を壊すのはティーンエージャーに限ったことではありません。

読みやすいからこそ、気分が落ち込んだり、少しおかしいと思った時に、読みたい本です。

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