生成AIとの付き合い方が変わった話③|AIで生産性をどう高める?
前回の記事から約1ヶ月空いてしまいました。いやー、なんだか忙しかったです。
他の資格勉強の記事や読書記録はちょこちょこ更新してたんですが。
考えをまとめるような記事を書くためのまとまった時間を確保できず。
ようやく落ち着いた今日このごろです。
そんな中でG検定に合格できたりと、AIに関する理解がそれなりに深まってきているような。
そのように過ごしているとどうしても頭の中に残るのが、AIの利活用の方法です。
どの様に使うか?についてはこの「生成AIとの付き合い方が変わった話」のシリーズで書いて来ています。
この2つの記事で書いてきたことを自分の中で理解することで。
自分自身の生成AIに対する考えや扱い方が変わったのは事実です。
ただ、この個人レベルの使い方からどうやって社会に普及させていくかと考えると、やはり生産性を上げることに尽きると思います。
G検定を主催しているJDLAが発刊している、G検定公式テキストの中にかいてあったかと思いますが、「AIによる効率化は数時間単位ではなく数日単位である」という威力がAIにはあります。
個人レベルで使うだけでも、個人の作業や仕事が楽になるのを実感できますが。
企業などの組織レベルになると、ここがどうも難しいみたいです。
開発費などの予算の問題もあるみたいで、こちらはしょうがない部分があるというか。
国や政府が導入補助や支援の制度の質を高めるなどの、国策にもなってしまいますからね。
でもどうやらそれだけではないように、AI導入や利用を決めた企業の撤退話を読んでいると思います。
利益を追求する企業が納得するためには、やはり生産性を上げ利益に直結することでしょう。
今回は「AIを導入することで本当に生産性が上がるのか?」について、だらだらと書いて行きます。
まずは、AIの期待度や評価が高いために、おきているであろうことから書いて行きます。
AIはオールマイティではない
自分は生成AIの中でも、ChatGPTやGemini、Copilotを良く使います。
使い分けは、その日の気分というのが正直なところです。
これらの大規模言語モデルは普段の会話のような自然なやり取りをしつつ、物事や論理を形作って行くことができるので、とても便利です。
インターネット上の情報を元に学習しているので、様々なことを「知っている」ような感覚で生成され、その返答を元に考えを深め方針を固めていく・・・
という使い方を良くしますね。
色々なことに使えるのが大規模言語モデルの良いところだなぁと思いますが。
すごく雑に言うと、テキストでのやり取りや情報をまとめることは得意でも、他の物体認識や画像生成は得意分野ではありません。
Copilotで画像生成できますが、DALL-E3という別の画像生成モデルを使っています。
Copilot内でシームレスに別モデルに移行している・・・と言えば良いでしょうか。
つまり、AIも私達人間のように、得意なことや不得意なことがあるのが現状です。
私達がやって欲しいと思うことを、得意とするAIを選ばなければ、望んだような出力を得ることはできないでしょう。
なので、AIと言っても「なんでもできる」のではなく、「やってほしいことをできる」AIを探すというようなイメージが今のところ必要です。
仕事の場合は、この感覚がより重要かもしれません。
何か問題が発生した場合に、業界の専門家に相談するような感覚です。
AIの出力は判断しなければならない
あえて「しなければならない」という強い言葉を使わせていただきましたが。
AI技術者の努力により、日々AIモデルは進化し、出力の精度は驚くべき速さで進歩しています。
それを利用し、ある機能に特化したAIツールもどんどん出ています。
なのでAIの出力を「信頼」してしまいます。
ここが、大きな導入の障壁になっていると思うのです。
どんなに高精度の出力をできるようになっても、AI自体は出力したものを「知っている」わけではありません。
入力された内容から、学習した内容を元に、入力された内容に限りなく近い出力を出しているに過ぎないのです。
なので、AIの出力に対する期待値>実際のAIの出力、という状態になり。
AIの導入をためらうことに繋がり、思った内容やクオリティではないために失望してしまう。
ということなのかなと。
ではどうすれば良いかというと、使う私達側がAIの出力に対する意識を改めるしかないかなと。
それがここの見出しである「判断しなければならない」ということです。
AIは純粋に入力された内容に基づき出力を返してくれます。
その出力された内容をそのまま使えるかどうかではなく。
AIに出力を依頼した目的に沿うものかどうかを判断する。
という意識があると良いでしょう。
例えばプレゼンテーションのスライドを生成してもらったとして。
スライドを使用する場面に合わせたスライドになっているかどうかや、聴衆が知りたいことや聴衆に伝えたいことが明確になっているかなど。
自分が作りながら気にしていることを、出力されたものに対してチェックしケアするという感じです。
場合によっては、手を加える必要もあるでしょう。
文章生成AIについても同じことが言えます。
ブログ記事を生成してもらったとして、文体や言葉遣いだけでなく、その記事で伝えたいことがちゃんと伝わるかどうか。
また、ハルシネーションが起きていないかのチェックも必要です。
生成AIについては、著作権などのコンプライアンスに関わる事もチェックするべきでしょう。
今後の技術の進歩や発展や、導入後のファインチューニングによりチェックの項目は減るとは思いますが、チェックしなくなるということは当分なくならないと思います。
他にもあるかもしれませんが、AIの利活用を考えたうえで持っておきたい心構えはここまでの2つです。
以前の記事と重複した部分もあるかもしれません。
AIで生産性を高めるのは知的作業の分業
産業が近代化したことで、効率化・機械化が推し進められた結果、モノの生産性は飛躍的に向上しました。
効率化・機械化されたものは、今まで行ってきた生産の流れの中で機械などのシステムに任せられる部分です。
ある意味、役割レベルで細分化されたと言えます。
それが、デジタル化やIT化により、作業レベルで細分化されているのが今だと思います。
標準化して誰でもできるようにするというのは、当たり前になっているように感じますし。
経験が必要なことや成果を上げている人のやり方を、全員ができるように仕組み化するといったこともこの流れだと思います。
言い換えれば、企業やその中の部署などの行動や役割が社会的に分担され、その中に所属する人間の行動が標準化され細分化された状態にあると考えられます。
となると、さらにミクロな視点になり。
個人の行動の標準化や細分化が起きている流れにあるのが自然に感じます。
つまり、個人に与えられている役割の作業を、さらに手順や考える順番ごとに細分化し、分業するという感じです。
ワークシェアリングという意味合いがこれに近いかもしれませんし、フリーランスへのアウトソーシングもそうかもしれません。
このように、個人の作業が細分化されている、またはされつつある今、登場したのがAIなのです。
そのように細分化されている作業の中で、本来人間がやらなくて良い活動を見極め、それをAIに任せつつ。
出力された内容や提案を利用して、クリエイティブな行動を取るのが、AIの利活用ではないか?
というのが前回の記事の内容ですが。
社会の流れとして、AIを受け入れる基盤が出来上がっていたと感じてしまっています。
それにより、AIをうまく個人の作業レベルに当てはめて導入すれば、1人あたりの生産性が飛躍的に変わると思うのです。
例えば、資料集めに1日、資料整理に1日、レポート作成に2日、と4日かかる作業があったとします。
資料集めを必要な資料の内容や項目の選定に0.5日かけて自分で行い、AIに集めるのと整理をお願いして0.5日。(処理能力によるのでちょっと大げさな日数です。)
この0.5日の間に仮説やレポートの流れを考え。
出力された内容と考えた仮説や流れをAIに放り込み。
レポートが出力され、見直して軽く修正を加えたのが0.5日後。
と、1日半で終えることができるのです。もっと早いかもしれません。
このようなAIとの分業により、個人レベルの生産性を高めることができ。
結果的に、所属する組織や会社など生産性も高まることにつながるのです。
AI開発の場でも分業している
AIで使用するモデルや手法の勉強をしていると見かけるのが、「人間が用意する」や「人間が評価する」という言葉です。
機械学習で使用する学習データの用意は人間が用意し、教師あり学習の場合は正解データも用意する・・・という感じです。
研究者ではない自分でも、全てのモデルの学習に研究者がデータを用意する必要があるのか?とは思います。
そこで、分類問題などではクラスタリングなど特徴を捉える、教師なし学習を利用したり。
強化学習でより高い報酬が得られる様な出力ができるような学習手法が開発され。
人類がインターネット上に蓄積してきた、ビックデータをそのまま利用する手法が増えてきたのだと思います。
もちろん、目的に合わせてどの学習方法が良いかを選ぶ必要はありますが。
そのようにデータを用意しなくて良くなれば、出力結果の精度判断などに労力を使うことができ。
より精度の高いモデルの開発が進むでしょう。
このように、AI開発の場でも人間が取り組むべきことと、AIに取り組ませることをしっかりと分けています。
AIを利用した製品開発も同じだと思うので、一応書いてみますが。
AIスマホ搭載カメラのCMが流れてました。
人間がカメラで写真を撮影する場合、カメラを構える→レンズを覗く→被写体をレンズ内に収める→シャッターを切る合図を送る→撮影する、という一連の流れがあります。
この中で、物体認識AIや物体検出AIを利用すれば、レンズを覗く以降の行動を人間がしなくても良くなります。
撮影はタイマーのプログラムなどで代用できるでしょうし。
でも、何を撮るかやどこで撮るか、どの角度で撮るかといった、「カメラを構える」作業は今のところ人間の動作が必要です。
実際、CMでもスマホを置く場所は人間が決めていて、レンズの中に映り込む位置に移動していました。
AIは実世界で物理的に行動することができないので当然ですけども。
近未来SF映画とかで見るような、自律飛行型ドローンエージェントでも出てくれば別かもしれませんが。
カメラで写真を撮るという一連の流れで、私達が何も思わずに取っている行動を細分化したのかなぁと感じてしまいました。
製品やサービスの開発においても、人間が行うことと、AIがやることを分けて設計しているように思えます。
生産性を高める行動に集中する
とりとめもなくなってしまいましたが、AIで生産性を高めるには、何をAIにやってもらうかを明確にすることです。
そのために、目的にあう出力を得意とするAIを選びます。
そのうえで得た出力により、方針や計画の方向性を選択したり。
他者に影響を与える行動を取るという、実際の世界に物理的な影響を与える、今のところ人間にしかできないことに集中することが大切です。
このAIにやってもらうことと、自分がやることを選び明確にすることが生産性を高めるために必要ですが、そのための準備はデジタル化・IT化による情報革命により訓練されています。
ただし、あくまで出力の確認やクリエイティブな活動に集中できるように組み上げるべきです。
とはいえ。まずは、AIを気軽に使ってみて、できることややれることを知ることが重要ですね。
または、生成AIであれば、プロンプトで私達がやることを指示してもらうように入力することもできます。
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