【読書記録】付加価値のつくりかた 一番大切なのに誰も教えてくれなかった仕事の本質(著者:田尻 望)|余裕を得るために無駄にしてはいけないもの

2025年1月8日

「付加価値」という言葉は、仕事として業種関係なくついてまわるものです。

「価格以上の価値を感じてもらうために〜」とか「バック商品につなげるために〜」といったマーケティングの話になると、必ず聞きますが。

買いたい側(顧客)のことを徹底的に考えて、価値を創出し。

仕事の質を高め、命の時間を有意義にしてくれるための、付加価値の考え方。

ということを教えてくれる本です。

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私と付加価値との出会い

自分がちゃんと「付加価値」という言葉を知ったのは学生の頃でした。

某大手飲食チェーン店のアルバイトの入社研修の資料に載っていて、関心したことを覚えています。

そこから社会人として働きながら、「付加価値」という言葉を使ってきましたが。

あるサービスを計画している時に、内容や提供の流れは決まったものの、どうしても価格だけが決めることができず。

「何が足りないんだ?」と悩んでいた時に、フラッと立ち寄った本屋の棚で目に止まったのが、今回の本「付加価値のつくりかた」です。

急いで読んで気がついたのは、サービスの内容や提供方法に気を取られすぎて、顧客のことやサービスを提供する人たちのことへの考えが足りなかったなと

だから、価格を決めきれなかったのだと。納得することができました。

利益を追求することはさらなる付加価値を生み出すこと

この本の著者は、何よりも貴重なものとして「人の命の時間」を上げています。

これは、冒頭から最後のあとがきに至るまで、この本の随所に出てくる表現です。

そして、製品やサービスと言う形で提供される価値は、その「人の命の時間」を仕事に使って生み出されています。

その提供するものに顧客が感動し、価値を感じることで対価としてお金を払ってくれる。

というのが、開発から販売までの流れとして書かれています。

その価値を最大化するのに不可欠なのが、「付加価値」の概念である。

ということを、価値の定義から付加価値を作り出す考え方、行動の仕方などを含め、丁寧に説明されていました。

実際に参考になるものが多くありましたが、基本的には顧客視点・・・よりも深いですね。

顧客のことを徹底的に考えることの重要性を訴えかけられているのが印象に残りました。

・・・とくに日本では、「必要以上に利益を得てはいけない」と考えられているように思います。

<中略>

働く人の命の時間が生み出す付加価値を最大化する。

そのために尽力することを、なぜ戸惑う必要があるのでしょうか?そんな必要は全くないのです。付加価値が高いということは、お客様に喜んでいただけているという証拠です。喜んでいただいたうえに、さらにお金まで支払っていただけるのです。

おわりに P.242

この引用した一文を実現し、自分の仕事の付加価値を上げることで、自分の人生を豊かにできるというのが著者の言いたい事だと受け止めています。

実際に、時間や金銭的な余裕がなければ、良しとされることを実行するのは難しいと思います。

難しいというより「したくてもできない」というのが正しいかもしれません。

そういう状態を脱するためには、付加価値を上げて、利益を生み。

利益を生むことでできた余裕を使い、さらに付加価値の高いものを創造していくことが、より充実感のある人生を歩む秘訣であると。

そして、その価値を提供するものは、売り手と買い手だけにとどまりません。

チーム内で一緒に働く、いわば直接的に売上に繋がらないバックオフィス業務にも当てはまります。

価値を生むための手助けとして、売上につながる行動をする人の事を徹底的に考え。

それを協力にサポートする状況を作るというのでも、付加価値を提供していることになります。

人と人との関係を価値という言葉で説明すると、少しチープになってしまう気もしますが。

自分がしている仕事や考えている事が利益につながっていると感じることができれば、心の余裕にもつながると思います。

この利益と付加価値創出のループに入ることが、個人でも組織でも強くなる要素なんだとも感じました。

読みやすい本

この本の文章や構成も付加価値の提供の方法で言われているように、読む人のことを徹底的に考えたものなんだと感じます。

かなり読みやすいですし、見出しごとにポイントも整理され。

さらに巻末で各章のまとめもついてます。

なので、理解しやすく、行動に移しやすいとも思います。

しかし、たぶん実際行動してみても、思ったようにいかなかったり、効果を実感しにくいかもなぁと思いました。

読むと内容がスッと入ってきて、考えられるようになった気になりますが、付加価値を作る意味やそれを元に利益を得る意味を読み取れないと、実用にはつながりにくいかなと。

先ほども書いたことですが、実際に売上を作る人だけで会社や社会が動いているわけではありません。

関わる人すべてが、売上に関係し会社や社会が動いているのです。

つまり、どんな立場の人でも、相手がどんな立場の人でも、その相手に付加価値を提供し最大化することが本質的なことであると、自分は学び取りました。

その結果、利益の最大化に繋がり、自分の心の余裕にもつながっていくんだなと。

価格による誓い

ということで、この本を読み。

当時悩んでいた価格設定をすんなり(というほどではないですが)決める事ができました。

その時に提供する付加価値への誓いとして、価格設定を捉えることもできました。

ただ、余裕という観点でいうと、この本で言われる付加価値の考え方を理解できている経営者かどうかにもよるなぁと。

結局それが正当に評価される職場じゃなければ、付加価値を最大化させることをWin-Winとして捉えられませんし。

この考え方を知って、転職のきっかけにもなるかもしれませんね。

自分の命の時間を大切に使える生き方をしたいものです。

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