DXや効率化をしたいなら「手間」をかけた方が良い

◯この記事の3行まとめ
- DXや効率化の真の目的はツールの導入ではなく目標達成であり、あえて手間を増やすような「非効率な選択肢」が、結果として確実な成果や現場の納得感に繋がる。
- 人間は急激な変化に抵抗を感じる。アナログ要素をあえて残すなどの「スモールステップ」を用いて段階的に移行することが成功の鍵。
- 効率化によって「手が空くこと」への不安(失業や怠慢と思われる懸念)に寄り添い、新たな価値創出の時間として再定義する。
「使える人がいないから、使用は当分しません」
介護施設で働く知人の職場で、最新の介護用ベットが納品された時にこう言われたそうです。
使わないというのは極端だとしても、今までのやり方と併用していて、結局効率化になっていない。
ツール導入によって、このようなことが起きているかもしれません。
最新のツールや話題のツールを導入するということが目的になり、「どう使うか?」まで考えられていないかもしれません。
私が経験してきた職場でも、「導入するから使え!」ということは良くありましたがー。
良い機能があるのに使われていない場合もあったりと、効率化を求めたのにやることだけが増えて結果非効率・・・
ということも見てきました。
組織に合わせたツールを作成するというのを日本型と言われ、ツールを組織に合わせるのが欧米型と言われ、導入のスピード感の違いというように言われることもあります。
なので、どれが良いのかと考えると「とりあえず導入」という感じにもなるのも理解できます。
しかし、そのような急激な変化になると、抵抗してしまうのが人間です。
あえて非効率な選択肢を選ぶのも状況によっては大切です。

導入の目的は何か?

どんなに便利なものや、話題のもの。
必要と思えるものでも、まずは「導入の目的」を明確にすることが近道だと、私は考えています。
過去に入力者が内容を送信する前に確認してもらおうと。
JavaScriptで承諾確認チェックボックスを用意したという記事を投稿しています。
送信前の内容確認画面もありますし、私としては要らないと思っていた機能でした。
しかし、当時は実際にミスが起きてしまい、修正に追われることが多かったのも事実です。
入力ミスを防ぐのに様々な方法がありますが、バリデーションだと入力者がストレスを感じていることが分かりました。
ITリテラシーがそこまで高くない職場だったので、「入力に間違いがあります」という赤文字表記はストレスの元になるようでした。
そこで、慣れたら意味がなくなるとしても、もう一度確認を促す方法として実装したものです。
自分が入力ミスをしていることがあるということが分かるようになり。
その後にバリデーションに変更した時は、思いの外受け入れてくれるようになっていました。
ベストプラクティスは、プレイスホルダーやバリデーションの利用だとは思います。
しかし、実際に利用する側が利用にストレスを感じているとすれば、結果的にミスへと繋がります。
目的は「ミスをなくすこと」で、「機能を使うこと」ではありません。
同じようなことが、物品管理のときにもあり。
リアルタイムに管理したいということなので、簡易的なシステムを導入したのですが。
簡単にできるということが、逆に後回しになりやすく。
システムの利用をやめて、アナウンスを入れて在庫数を収集し、集計して共有するというオペレーションに変更しました。
単なるシステムからの通知だと流されてしまうので、アナウンスは人力で実施など。
ここでも、目的は「システムの利用」ではなく、「物の数を管理すること」です。
効率化という観点では、微妙かもしれません。
しかし、あえて手間を増やすことで、目的を達成できることは多くあります。
そして、良く分からず使うのではなく、なぜ使うのか体感している状態という、環境を整えることにも繋がります。
アドバイスがそのまま当てはまるわけではない?

ツールやシステムの導入を検討する場合、事例を調べたり詳しい人にアドバイスを求めるでしょう。
調べた事をそのとおりになぞっても、それで改善されるとは限りません。
そのまま自分や職場の状況に当てはまるわけではないのです。
なぜなら、「似たような」環境はあっても、「全く同じ」環境はほぼないからです。
なので、話題になっていたり効果が実証されているというツールを導入しても、何も変わらなかったという状態が起こります。
これには現場を無視していることもありますね。
「周りが良いと言っているから良いんだろう」という評価がされることも当然あります。
もちろん、評価されるのには理由もあるので。
一概に悪いとは言えません。
私の例の内容とはなりますが、実際に現場で使う人達にとって影響があるのは。
私達が考え達成したい目的よりも、自分たちが行うことへの変化です。
その変化をどのように受け入れてもらうかを考え、用意しなければ。
使えない、使われない、という状態が生まれるのも当然でしょう。
とりあえず使ってみるとしても、否定から入ってしまう場合もあるので。
便利さを実感してもらう前に、ストップしてしまうのです。
なので、あえてアナログ部分を残すような、段階的な導入を考えることも大切です。
そのためには現場のオペレーションを理解する必要もあるでしょう。
スモールステップを繰り返し、最終的に移行するということも念頭に起きましょう。
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最大の障害は?

効率化を推進するに当たって、一番の障害は「手が空くこと」であるとも言えます。
ツールやシステムの導入によって、今までやっていたことをやらなくて良くなったり。
実施する時間が少なくなる効果が見込まれます。
導入する側としては、勤務時間内の働き方を効率的にすることや、従業員や部下を楽にさせてやりたいとか。
手が空いた分で他の仕事に取り組んでもらいたいとか、前向きな考えだと思います。
しかし、実際に作業をしている人たちは、何をすれば良いのか分からなくなります。
手が空くことで、「サボっていると思われるんじゃないか」「仕事がなくなるんじゃないか」。
そのように考えてしまうわけです。
AI技術の進展は、この影響をより広範囲に押し広げています。
だからこそ、現場のオペレーションを踏まえた上で、導入を考えることが大切です。
もしくは、導入を決定するとしても、その運用を現場と共に考えるリーダーの存在が必要でしょう。
手が空くということは、さらなる価値創出ができることなのです。
それは、コミュニケーションや自己研鑽の時間、快適な環境を維持することなど、今まで見過ごされてきた事かもしれません。
ツールやシステムを使った効率化だけで、組織の悩みが全て解決するわけではありません。
それについてくる不安感にも寄り添いましょう。
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「使えなければ意味がない」のなら

使える状況を用意するようにしましょう。
もちろん、全員の理解が必要かと言われれば、そうではありません。
実際に使っている人の働き方が変わり、活き活きとした姿を目にすることで前向きに使い始める人もいます。
そのために、まずは強力してくれる人を見つけ、その人に寄り添うことが大切だと思います。
現場での流れを踏まえ、どのように導入していくのか、どのようなサポートが必要なのか。
非効率なことが、効率を生むようになるのが、仕事の面白いところでもあります。
プログラムなどで自動化する場合でも、その仕組を作る時にかなりの手間がかかります。
プログラムではなく、エクセルでのシートの用意でもそうです。
その手間の先に、効率が待っていて、しかも加速していくはずです。

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はじめまして、「ぽんぞう@勉強中」です。
小企業に一人情報部員として働いている40代のおじさんです。IT技術での課題解決を仕事にしていますが、それだけでは解決できない問題にも直面。テクノロジーと心の両面から寄り添えるブログでありたいと、日々運営しています。詳しくはプロフィールページへ!

















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