性格を科学する|心理学検定A領域(社会・感情・性格)
個人と社会がどのように影響を与え合うのか。
個人の行動の源泉となる感情について。
今回は、個人を特徴づける「性格」についての心理学をまとめていきます。
私達それぞれの特徴であり、良くも悪くも付き合っていくものですが。
この理論を理解することで、自分自身の理解を深めるとともに、他者理解を深める助けにもなります。
心理学検定の範囲を元に、できるだけ簡単に書いていきますね。
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性格をどう捉えるか?
「あの人はこんな性格だ」とか、「私にはこういうところがある」など。
性格について考える時、人それぞれのものでも、共通するイメージのようなものがあります。
そのイメージのようなものが「特性」で、その組み合わせでその人らしさが作られるというのが、心理学における「特性論」の考え方です。
その人自身を表す独特の特性を「個別特性」といい。
先程の例のような、すべての人に共通する特性を「共通特性」と言います。
人それぞれというように、個人の細かな違いを数値化することができ。
後述する「ビッグ・ファイブ」なども特性論を元にしています。
性格診断などでよく使われるという印象です。
また、個別に評価するのではなく、一定のタイプを用意してどれに当てはまるかで考える「類型論」もあります。
性格心理学でも古典的な手法とされていて、そのタイプがその人らしさを表すとします。
心理学ではないですがー。占いはこれかもしれないですかね。
このように、パーソナリティ、つまりその人らしさをどのように掴むか研究が重ねられています。
そして、このパーソナリティが現れるのは何かしらの行動でしょう。
その行動は、状況や環境、文化の影響もうけつつ、パーソナリティ特性との相互作用によって決定されているとします。
つまり、性格はその人自身が持っているものや、周囲の影響を受けて形作られたものなど。
様々な要因により形付けられていて、客観的に評価するための方法が考えられてきたと言えるでしょう、
ビッグ・ファイブ
パーソナリティ心理学の特性論の主流となっているのが、「ビッグ・ファイブ」です。
「主要5因子モデル」とも呼ばれ、ゴールドバーグが主張したものです。
5因子は以下の通り。
・外向性:活動的で積極的に人とかかわり話好きであるという特徴
・調和性:良心的であり他者を信頼し協力的であるという特徴
・誠実性:十分に考え自律して目標を達成するという特徴
・神経症傾向:感情が不安定で衝動的であるという特徴
・開放性:想像的・創造的であり好奇心が強いという特徴
確かに、ネット上の診断などの質問項目を思い返すと、この5項目に関連する質問に答えてる気がします。
各因子の高低でどのような行動傾向が出るかを分析し、パーソナリティを考える参考にされています。
文化を超えて同じ特性を確認できることや、ある程度遺伝が見られることや。
自分自身の評価と他人の評価でも一致しやすいというのが特徴で、研究が進められているモデルでもあります。
しかし、5つの要因には国内だけでなく、言語によるゆらぎもあり妥当性の問題を抱えているようです。
とはいえ。
パーソナリティを捉えやすいので、6因子や7因子をモデルにするといった発展なども見られます。
一貫性と新相互作用論
人と状況の相互作用によって行動が決まるという考え方を「相互作用論」といいます。
レヴィンやキャッテルが提唱した古典的なものだと、個人の特性と状況の相互作用により行動が生じるものとされます。
それに対しミシェルは、状況を超えるパーソナリティの一貫性があるかどうかという、「人間‐状況論争」を起こします。
一貫性とは「人はどんな時でも同じ性格かどうか?」という安定性に関わることです。
相互作用論は、状況と個人の特性が独立して作用すると考えられているため。
その状況の変化によるパーソナリティの変化についての議論でしょう。
大きく一貫性は、発達などの時間の変化からみる「経時的安定性」と、様々な場面を通して安定性が見られるかという「通状況的一貫性」に分けられます。
そして、「通状況的一貫性」は以下の3つに分けられます。
・絶対的一貫性:どんな場面でも一貫している。
・相対的一貫性:場面で多少変化するとしても、相対的な位置づけは変わらない。
・首尾一貫性:行動や位置づけは場面によって変わるが、見られるパターンは安定的である。
目に見える行動だけでなく、その背後にあるパーソナリティが安定して示されるかどうかを見るのが一貫性と言えるでしょう。
「絶対的一貫性」は、常にその特性が見られるか。
「相対的一貫性」は、常に対象となる人と比較してその特性が見られるか。
というような違いですかね。比較対象がいるかどうかです。
「首尾一貫性」はある意味「TPOをわきまえる」という感じですかね。
友達といると騒がしいけど、親といると静か。みたいな感じで。
友達から見れば「活動的」だけど、親は「おとなしく」感じて少し不安になっている・・・
というような。
違うような性格に見えますが、どちらもパーソナリティとしての「その人らしさ」を表していると言えます。
なので、状況の解釈や意味によって行動が変化するという、認知の影響もある。
このように考えられたのが「新相互作用論」です。
友達といる時は、多少羽目を外して活動的に過ごすことで「楽しく」過ごすことができる。
しかし、親といる時に羽目を外すと怒られてしまう「不安」があるから、おとなしくする。
こんな感じでしょうか。
このような違いを見ると、私たちは「別人のようだ」と感じるかもしれません。
それでも両方とも、「その人らしさ」であることに変わりはありません。
友達からは「面白いやつ」と思われて褒められたいかもしれませんし、親からは「良い子だ」と褒められたいのかもしれません。
褒められるのが嬉しいというパーソナリティを、状況によって使い分けている・・・
という少し強引な理解でも良いでしょうかね。
これが、「その人らしさ」。つまり、個人差を生み出していると考えられています。
遺伝
パーソナリティに個人差を作り出すもので、遺伝も考えられていて。
環境と遺伝の「相互作用説」が主流となっています。
行動遺伝学の双生児研究で主に影響があるかどうか調べられているそうです。
遺伝については、複数の遺伝子が加算的に影響を及ぼす「相加的遺伝」と、交互作用的に組み合わせの影響を及ぼす「非相加的遺伝」。
環境は、家庭環境など同じ物を経験する「共有環境」と、別々で経験する「非共有環境」。
この4つの要因を統計処理することで、パーソナリティの個人差を分解し、影響の程度を分析しています。
この遺伝と環境の影響は、共に40〜60%あるということが言われています。
遺伝の影響が例えば50%あるとしても、残りの50%は環境によってパーソナリティが形成されということです。
環境の中でも「非共有環境」が大きく影響するらしいので。
どのような経験をするかというのが、パーソナリティの形成には大切だと言えますし。
自分自身がどのような経験を選ぶのかも、大切なのかもしれません。
社会との関連
パーソナリティが形作られた後、認知や行動によってその特性が発揮されます。
そのように発揮された結果、パーソナリティは心身の健康にも影響するようになります。
良い影響があれば、ポジティブに出来事を捉え。
悪い影響があれば、ネガティブに捉えてしまいます。
ポジティブな影響があれば、他者との関わりの中で楽しく過ごせる特性ですが。
ネガティブな影響だと、メンタルヘルスや身体の不調に繋がりかねません。
例えば、楽観的に過ごせれば、物事を良い方向に考えやすく、前向きに過ごせるでしょう。
しかし、楽観的すぎてリスクを取りやすい性格であるとも言えます。
このように、一つの特性でも裏表になりえるのです。
そしてこの裏表は、社会の状況や文化によっても起こります。
現代の日本においては、好戦的な性格は危険視されます。
自分や周囲の身を守るため、好戦的な性格の人とは距離を取るかもしれません。
しかし、近代や戦国時代など、好戦的な性格が求められる状態であれば、受け入れ認められます。
また、日本では自己主張の激しい人を好戦的とみなし避けやすいですが、欧米では自己主張をしてお互いに折り合いをつける社会なのでそのようにはみなされません。
このように両面があるものがほとんどだと思います。
社会に適応するには、自分の特性と共に文化や環境、状況を考慮しどのように活かせるかを考えることが大切と言えるでしょう。
「こうだから」と固執しすぎず、首尾一貫性を持てるようになりたいものです。
非認知能力の一部
学力検査や知能検査など、テストでは測ることができない能力を「非認知能力」と言います。
認知能力以外のすべての項目が当てはまり、幅広い分野を扱いパーソナリティもその一つです。
例えば、テストのために自分で決めた勉強をやり抜いた場合。
テストで学力を点数化することはできますが、やり抜く力といったパーソナリティに係ることはテストだけでは測ることができません。
しかし、やり抜くことができるというのは、その人の能力です。
他にも、知能指数が良いから、社長になれるというわけでもないでしょう。
また、やり抜く力は強めることも弱めることもできます。
続けることで徐々にテストの点数が上がったり、親や先生からほめられるなど。
ポジティブな影響があれば、もっとやり抜くことができるようになるかもしれません。
逆に、いくらやっても成果が出なければ、諦めグセがついてやらなくなるかもしれません。
非認知能力による特徴は、固定されたものではなく、変わっていくものだとされています。
パーソナリティもその一部であり。
ポジティブな面もネガティブな面もあることを考えると。
ポジティブな面に目を向けると共に、それを伸ばすように。
また、社会や状況、文化と照らし合わせて、適応できるような。
そんな手助けも、周囲ができることなのでしょう。
自分自身を客観視する
性格心理学というと、色々なタイプやパターンから説明されていることが多い印象ではあります。
その方が理解しやすいというのもありますしね。
そして、同じような性格なのに、物事の捉え方が違い。
受ける印象に個人差があるのも事実です。
どのような感情を求め、どのように考えるのかは人それぞれですが。
自分の特性を知るとともに、傾向を客観的に把握することで。
社会と自分の関係性も見えてきて、より人生を楽しめるんじゃないか。
そんなことを、学びながら思いました。
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はじめまして、「ぽんぞう@勉強中」です。
小企業に一人情報部員として働いている40代のおじさんです。IT技術での課題解決を仕事にしていますが、それだけでは解決できない問題にも直面。テクノロジーと心の両面から寄り添えるブログでありたいと、日々運営しています。詳しくはプロフィールページへ!