なぜ「先延ばし」してしまうのか?

勉強やダイエットに早起き。

何かを「良くしよう!」と思って決めたものの、ズルズルと時間だけがすぎてしまう・・・

多かれ少なかれ、こんな経験はありませんか?

「自分はだめだ・・・」と思ったり。

家族や友人に宣言したものの、実行できていなくて「意志が弱いね」と言われたり。

期日を決めても「明日から・・・」とか。

変化や行動を起こそうとする時に「先延ばし」してしまうことは、悪いことのように考えたり言われやすい印象です。

性格のせいにして開き直るのも一つの考え方ですが。

「脳の防衛反応」によって、不安や重圧といった不快な感情を避けようとしている働きでもあります。

・なぜ「先延ばし」してしまうのか?
・「先延ばし」を防ぐには?

この記事でまとめてみます。

脳の「仕様」:身体が拒否するメカニズム

勉強は自分の知識を得るための行動です。

行きたい学校の入学試験に合格するとか、資格を取ってスキルアップするなどが理由でしょう。

ダイエットや早起きは、健康のために生活習慣を変えたり、印象を良くするといった感じでしょうか。

これらの行動は、良くも悪くも自分の行動を変化させることですね。

自分の能力を上げることや、より健康的な生活を送りたいというのは、素晴らしい目標です。

しかし、脳は変化を嫌います。

それまで勉強してこなかったり、ダイエットや早起きに取り組まないでいたのは、自分が「楽」だから。

つまり、心身ともに安全な状態であると、脳が判断していたからです。

そのような状態から抜け出すことを、良い変化であっても脳は嫌がるのです。

良い変化であっても、脳はそれを「苦痛」だと捉えます。

その時に働くのが脳の報酬系です。

神経物質であるドーパミンは、苦痛を感じると避けるための快感を探します。

この場合、「実行すること」の苦痛を避けるために、「先延ばし」という快感を選択しやすくなるわけです。

一度この快感を得てしまうと、再びやってくる「苦痛」を避けるために、さらに上乗せされた快感を求めてバランスを取ります。

このバランスを維持することによって、安心・安全な状態を維持しようとするわけです。

脳にとって「楽」ではないこととは、どういう状態でしょうか?

安心・安全な場所から出るということには、どのような意味があるのでしょうか?

安心・安全ではなくなるということは、生命の危機が生じるということです。

つまり、脳にとって「楽」ではない状態というのは、身体を守るための警報を出さなければならない状態とも言え。

要するに、ストレスを感じている状態なのです。

そのため、「苦痛」の感情を出し、自律神経が働いてしまい。

良いはずの行動を、生命に関わる危険な変化と察知して、安心・安全な状態に止めようとするのです。

私達が生物として持っている本能である、「現状維持バイアス」が働いてしまうんですね。

なので、「先延ばし」は性格や意志の問題だけではなく。

生存戦略としての本能も関わって判断することなのです。

関係する脳の働きについてはこちらの記事もお読みください。

限られている「リソース」:「準備」だけで疲れる

「いやいや!決めたことだから!」と気合を振り絞って取り組む準備をしたとします。

机の上を片付けたり、運動のためのマットを探して引いたり、トレーニングウェアに着替えたり。

そのように始めても、「机がきれいになったから、明日からすぐ勉強できるね!」とか。

「動きやすい格好を考えてたら、疲れちゃった」など。

結局「先延ばし」となってしまうこともあります。

単純な例なので、「いやいや、やるでしょ?」と思うかもしれませんが。

机の上の片付けでも選択することは、散らかり具合にもよりますが、たくさんあります。

・ペン立てを置く場所
・どの本を使い、使わない本はどこに置いておくか
・ノートが汚れないように、机を拭いた方が良いか
・どの色のマーカーを使うか

などなど。きりがないですね。

この一つ一つを選んでいる内に、「明日から〜」となってしまうわけです。

というのも、脳が一番エネルギーを消費するのが、選択、つまり意思決定をする時です。

本来は勉強に対して脳のエネルギーを注ぎたいのに、取り組む前の選択が多すぎると疲れて実行できなくなってしまうのです。

仕事の例で考えると、プレゼンの資料作りやレポートの作成でしょうか。

プレゼンの目的は、相手の興味関心を引き付け、決定を下す手助けとなる効果的な資料を作成することです。

レポートは、内容を相手にわかりやすく、確実に伝えるためのものです。

そのため、資料集めやデータの整理、必要であればインフォグラフィックを作成するなど、準備段階で必要と感じられることが多くあります。

地道な準備をしっかり行ったものの、良いプレゼン資料にならなかったり、うまくまとまらなかったり。

私はブログの記事を書いている時に「なんか違うなぁ」と思うことが良くありますが。

これも、準備にリソースを使いすぎ、本来注力すべきである効果的な資料やレポートの作成、プレゼンの練習時点で枯渇してしまっている状態です。

そのため「資料作成は明日で良いか・・・」となってしまうわけです。

余裕を持ったスケジュールを作成すれば問題ないかもしれませんが。

期日が迫っている場合でも集中できない・・・

というのは、このリソースの枯渇状態と考えられます。

リソースを確保する方法について

「理想」というブレーキ:物事の捉え方

行動を起こす場合、「こうなりたい」「こうしたい」といった理想を持ちます。

その理想を目的として、目標を立てて実行していきます。

行動して見ることで、初めて分かることや、見える課題というものあります。

その時に「理想」を掲げすぎると、実行している自分と理想の自分の差に気づき。

落ち込んでしまい、「やっても意味ない」と思ってしまいます。

「先延ばし」という意味で言うと、準備段階に当てはまるでしょうか。

例えば、勉強を始める時に、尊敬するインフルエンサーが使っている筆記用具やノート、問題集などを準備できないと、勉強を始められないように感じるなどです。

私達が過ごす日々は、100%毎日同じかと言われると、そうでもありません。

同じような毎日でも少しの違いがあります。

少しの違いでも、目標を達成するのが難しい時もあります。

このような考え方をすると、「完璧主義」と言われ、もう少し肩の力を抜くように言われますが。

本人は当然だと思っているので、そこにズレも起きます。

わかりやすく、取り組み前後の内容で書きましたが、これは感情、つまり認知でも働きます。

やる前から、決めた目標に対して「完璧にやらねばならない」と、自分で自分自身にプレッシャーをかけてしまうのです。

プレッシャーをかけ続けると、「もしできなかったらどうしよう」という不安が起こります。

この不安に取り憑かれてしまうと、実行することに尻込みし、なかなか行動に起こす気になれないでしょう。

そのうち、「まぁ良いか」と行動すること自体を諦めてしまうかもしれません。

また、仕事の場合、やる前から「完璧にできなかったら、無能と思われるかもしれない」ということが気になることもあるでしょう。

そのため、やり慣れてることや、自分が得意としていることでも、取り組むこと事態に尻込みしてしまいます。

実際のところ、これらの考えは「思い込み」であることがほとんどです。

勉強の例であれば、本来の目標は勉強をすることで、道具を揃えることではありません。

仕事についても、求められている程度は、上司とコミュニケーションを取らなければ分かりません。

こういった実際の状況を正しく把握できていない、「認知の歪み」に気づき修正することも、「先延ばし」を防ぐために必要です。

仕事については、部下にそのような考えをさせてしまう環境になっていないか。

「心理的安全性」が確保されているか点検することも重要です。

詳しくは以下の記事をご覧ください。

仕組みで解決を目指す

「先延ばし」に繋がってしまうのは、意志力といった個人の性格や力の問題だけでなく。

・脳の本能としての機能の問題
・脳のリソースの問題
・感情の捉え方の問題

といった、私達自身を本来守る機能の影響もあることがおわかりいただけたかと思います。

ではどうにもできないかというと、そんなことはありません。

あなたもそれは経験で理解していると思います。

だからこそ、自分自身を良くしようと、様々な目標を立て行動を計画しているはずです。

なので、その成功確率を上げるにはどうするかについて考えれば。

「先延ばし」する可能性が減り、自信を持って毎日を送れるのではないか。

私はそう考えています。

そのいくつかを、ここで考えてみます。

スモールステップまで落とし込む

目標や目的を立てた時に、脳が嫌がってしまうのは「変化」でした。

なので、脳が「変化」と感じない程度まで行動レベルを細分化してしまいましょう。

勉強で例えると、「20時になったら、椅子に座る」などです。

椅子に座るのであれば、日常生活で行う行動なので負荷はないでしょう。

勉強できそうであれば、そのまま勉強すれば良いですし。

する気が起きなければ、やめても良いです。

椅子に座る習慣がついたら、「椅子に座ったら、参考書を適当に開く」という目標にしても良いです。

このように、徐々に勉強に関係する習慣を作って行けば、脳は「変化」と捉えることなく自然と勉強に向かう姿勢となっていきます。

ただし、「目標に関係する行動」にしましょう。

「思うだけ」「考えるだけ」もあまり効果はありません。

このような方法は、成果を出し続けるリーダー達も実行しています。

準備はプログラムに任せる

準備中で脳のリソースを使い果たし、疲れ切ってしまう。

これを軽減する一つの方法が、AIなどの技術を積極的に導入することです。

このブログでもたびたび生成AIの利活用について取り上げていますが、情報整理、分析、要約、グラフの作成など多くの事を代替してくれるツールです。

ハルシネーションの問題や、プロンプトエンジニアリングの経験など注意しなければならないこともありますが。

積極的に利用することで。

テーマを考える➾必要な情報を収集する➾収集した情報を選別する➾選別した情報を整理・分析する➾考察する➾レポートにまとめる

という過程が。

テーマを考える➾AIに情報の収集・整理・分析を依頼し、出力してもらう➾内容を精査し、修正する

というもので済むでしょう。

また、Pythonなどのプログラムを組んで自動化することもできますね。

このブログで良く見られているんですが。

Microsoftの提供するクラウドの自動化ツールである「Power Automate」などの利用もオススメです。

直感的に動作を作り、エクセルでのデータ整理といったOffice365を使った作業の自動化に便利です。

学ぶのに少し時間がかかるかもしれませんが、その後で他にも応用できますしね。

仕組み化により習慣化する

スモールステップにも通じますが、習慣化することも大切です。

習慣になれば、「変化」ではなくなるので、苦痛はなく取り組むことができます。

しかし、「先延ばし」になるのは習慣になるまでの間。

完璧主義だと、決めた時間に始められなかったことにこだわってしまうかもしれません。

なので、習慣になるように仕組みを作りましょう。

仕組み化すれば、意志の力に頼る必要もありません。

時間を決めたのであれば、スマホなどでアラームを利用することができます。

目につきやすいところに、決めた目標を書いた紙を張り出し思い出すことも有効です。

一度習慣になれば、その行動を忘れることはないでしょう。

ただ、人間は楽な方に流れやすいものです。

習慣が崩れてきたら、もう一度仕組みを作るようにしましょう。

少し内容は異なりますが、どうすれば自然な記憶になるのかは、仕組み化を考えるヒントになるかもしれません。

過去の成功体験を再現する

「先延ばし」を防ぐのに参考になるのは、過去の自分でしょう。

というのも、過去に目標や目的を達成した経験は、自分だけが知っている自分にあった「先延ばし」を防ぐ方法だからです。

もちろん、環境や状況が違うため、そのままでは当てはまらないかもしれません。

なので過去に成功した体験の要素だけを考えます。

例えば、「受験の時、夕飯後に眠くならないように、10分ほど散歩をしてから勉強していた」「時間になったら親に声をかけてもらっていた」などです。

自分自身で努力したことや、目標達成のために誰かに協力をお願いしたなど。

再現できる要素はあるでしょう。

これはある意味、自分の能力を把握したうえで、やるべきことに集中する仕組みとも言えるかもしれません。

誰にでも苦手なことや得意なことがあります。

早起きが得意な人もいれば、夜ふかしが得意な人もいます。

そういった自分の得意なども、自分の目標達成に使える自分の「資源」と言えるでしょう。

「資源」といえば、ランチェスター戦略。

自分の苦手なところはツールや親などの協力してくれる人に頼り。

決めたことをやり遂げることに集中することも有効です。

自己効力感が鍵

自己効力感とは、「自分が〇〇したら□□になるだろう」という、前向きな行動エネルギーです。

「先延ばし」することで、自己効力感が低下してしまいます。

しかし、「先延ばし」せずやり遂げ。

それを習慣化することで、自己効力感を高めることができます。

現代社会は私たちの時間を奪うことに試行錯誤している社会でもあるので、「先延ばし」のチャンスだらけなのです。

なので、自分を責めることなく、成功体験を積み、自己効力感を高めていく。

これが「先延ばし」をふせぎ、立てた目標を次々と達成し。

自分の理想に近づく鍵なのです。

この記事を読んで、取り組んでみたくなったことはありますか?

もしあれば、どんなことでも構いませんので、コメントを残してみてください!

著者プロフィール
ぽんぞう@勉強中

はじめまして、「ぽんぞう@勉強中」です。
小企業に一人情報部員として働いている40代のおじさんです。IT技術での課題解決を仕事にしていますが、それだけでは解決できない問題にも直面。テクノロジーと心の両面から寄り添えるブログでありたいと、日々運営しています。詳しくはプロフィールページへ!