【資格勉強】メンタルヘルス・マネジメント対策に関連する法律のまとめ|メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種(ラインケアコース)

企業の管理監督者向けの検定試験「メンタルヘルス・マネジメント検定」の「Ⅱ種(ラインケアコース)」で扱われる法律についてまとめます。
管理監督者向けに、部下や部門内の「ラインケア」実施時に考慮する法規制です。
公式テキスト内で扱われているものなので、学習のお供にして頂ければと。
抜けや漏れがあったら、随時追加・訂正いたします。
基盤となる法律
メンタルヘルス・マネジメントに直接関わる法律です。
労働安全衛生法
労働基準法42条により、職場における労働者の安全と健康を確保すると共に、快適な職場環境の形成を促進することを目的に制定されました。
最低の条件基準を定めた取締法規で、具体的な内容は政令・省令に委ねられています。
公式テキストでも各所で引用される、メンタルヘルスでも重要な法律です。
労働基準法
労働三法の一つであり、憲法で保証されている「健康で文化的な最低限度の生活」を労働者が遅れるように、雇用主が守るべきルールの最低基準を定めています。
労働安全衛生法の制定に関わる条文もありますが。
・メンタルヘルス不調時の災害補償責任
・労働時間
・36協定に関する規定
このような、メンタルヘルスと関係の深い労働時間などの基準が定められています。
労働契約法
事業者の「安全配慮義務」を明文化した法律です。
制定までは判例などで概念だった「安全配慮義務」について、従業員の心身の健康に配慮する責任の根拠を示しています。
労働者災害補償保険法
労災認定された場合の補償について規定されています。
メンタル不調や過労自殺など、メンタルヘルスに関わり労災認定された場合ので、保険給付規定です。
リスク要因に関わる法律
各種ハラスメントや過労といった、メンタルヘルス不調のリスクとなる要因について焦点を当てた法律です。
労働施策総合推進法
正式名称「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」
労働災害について定義しています。
また、パワー・ハラスメントの法規制であり、事業者へ対策の措置義務を定めています。
男女雇用機会均等法
女性労働者の活躍を推進するために、雇用において男女の均等な機会と待遇の確保を目的に、性別によつ差別や不当な扱いを禁止などが定められた法律です。
メンタル不調の要因となる、セクシャル・ハラスメントやマタニティ・ハラスメント対策の措置義務が定められています。
過労死等防止対策基本法
職場において問題となるのが、長時間労働などを理由とする過労死です。
この法律で、「過労死等」について定義され、過労死・過労自死防止の国の基本方針を定めています。
自殺対策基本法
社会全体で自殺を防ぐ仕組みを作るための法律です。
メンタルヘルス不調を原因とした自殺の増加への対策を強化しています。
また、「自殺対策の総合的かつ効果的な実施に資するための調査研究及びその成果の活用等に関する法律」で、自殺対策の一層の充実を図ることとされています。
アルコール健康障害対策基本法
アルコール依存症や飲酒問題を通じた、自殺や健康被害の防止を目的としています。
メンタルヘルス不調を原因に、過度な飲酒につながり、依存症などの問題へと発展するため、知識は必要です。
周辺領域の法律
個人情報の取り扱いや、障害者雇用に関する規定についての法律です。
メンタルヘルス対策の実施や多様な働き方を実現するために。
把握しておきたい法律です。
個人情報保護法
ストレスチェック制度の実施などで得られた、労働者の健康情報の取り扱いが「要配慮個人情報」という形で規定されています。
メンタルヘルス・マネジメントだけでなく、IT技術の導入やAIの利活用といったビジネスの現場でも重要な知識です。
また、健康保険法や医療法、保健師助産師看護師法といった法律でも守秘義務が規定されています。
ストレスチェック制度の実施時に労働者の健康情報を知ることになったり、高ストレス者との面談など「要配慮個人情報」を扱うスタッフ及び医療従事者に対するものです。
個人情報保護のためにも、把握しておきましょう。
障害者雇用促進法
企業に、身体障害者・知的障害者・精神障害者を一定比率以上で雇用することが求められています。
それを規定し、その比率による援助や控除の内容について触れられている法律です。
障害者の雇用に際し、不当な差別的取り扱いの禁止や合理的配慮の提供を規定したのが、「障害者差別解消法」です。
多様な背景を持つ労働者が、共に暮らせる社会の実現を念頭においています。
また、働くことに対する難しさを抱えやすい発達障害者へ配慮を示すことも、「発達障害者支援法」で規定されています。
この法律では発達障害の定義もなされています。
精神保健福祉法
障害者基本法の基本的な理念にのっとり、精神障害者の権利擁護を図り、支援体制を整備するための法律です。
精神障害に対する医療・福祉的支援が規定され、企業における産業医や医療機関との連携を考える際に重要な法律です。
高齢者雇用安定法
働き方の多様化や少子化に伴い、高齢者の雇用も必要とされています。
高齢年代における特殊なメンタルヘルスの問題もあるため、雇用する際に把握しておきたい法律です。
また、持病など高齢者が持つ医療の問題もあり、こちらにも配慮する必要があります。
それに関する規定が「高齢者医療確保法」です。
持病などを原因として、メンタルヘルスの不調につながる可能性もあります。
一般法
これまでの法律の内容で、解決できない企業対個人の問題などは、一般法により解決を目指します。
民法
安全配慮義務違反などによって起きた災害で、労働者本人が損害賠償を企業に求めた場合に、民事事件として扱われます。
415条の契約責任や709条の不法行為責任、715条での被用者が第三者に加えた責任の損害についての規定を把握しておきましょう。
刑法
守秘義務違反など、罰則規定があるものについては、刑法が適用されます。
まとめ
テキストの学習を進めるとわかりますが、基盤となる法律を元に、リスク要因に対する法律が制定され労働環境を国として整備する姿勢が伺えます。
また、メンタルヘルス対策や雇用に付随する問題への対策として、個人情報保護法や各雇用促進法が整備されています。
さらに、メンタルヘルス不調発生時に、民法や刑法を元に争うことになる可能性も頭に入れておく必要があります。
ラインケアは職場の管理監督者という、部下に寄り添いながら会社の意向にも沿う立場の方に向けたものです。
安心される管理監督者となるためにも、少しずつ見に付けていきたいものです。
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はじめまして、「ぽんぞう@勉強中」です。
小企業に一人情報部員として働いている40代のおじさんです。IT技術での課題解決を仕事にしていますが、それだけでは解決できない問題にも直面。テクノロジーと心の両面から寄り添えるブログでありたいと、日々運営しています。詳しくはプロフィールページへ!
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