【読書記録】ユーチューバーが消滅する未来 2028年の世界を見抜く(著者:岡田斗司夫)|読み方で本の認識が変わる
どんな未来が待ち受けているのか。良くも悪くも気になるのが人間です。
自分の将来は明るい方が良いし、悪いことが分かっているなら回避したいですからね。
今回の本は、Youtubeで配信されている(という紹介が良いのかは分かりませんが)岡田斗司夫さんの「ユーチューバーが消滅する未来 2028年の世界を見抜く」です。
岡田さんは未来予測の話も良くされていますが、Youtubeチャンネルで話していたことから抜粋してまとめられた本です。
なので、聞いたことがあるなぁと思いながら読み進めました。
その形からか、本自体もかなり読みやすいので。
副題やこの本の紹介されている、岡田さんが予測した未来の答え合わせのような、楽しい読み物として読むことができます。
この本の発売が2018年で、今が2024年なので。ある程度は答え合わせのようなものができます。
ただし、そんな岡田さんに感銘を受けて、同じ様な物事の見方をしたいと考えると。
途端に難しい本。左脳を使って楽しく読んでいたのに、右脳を使って考え込まなければいけなくなる。
そんな本という印象です。
まさかのゲスト出演で
もともと、岡田さんの本はそんなに読むつもりがありませんでした。
というのも、Youtubeで配信されている内容自体に学びが多く、岡田さんが話しているものを講義のように聞くだけでも十分だと思ってしまっていたからですが。
そんな岡田さんが、ReHacQにゲスト出演された時に、この本にさらっと触れられてたのが読むことにしたきっかけです。
ゲスト出演などの他の動画に出る印象があまりなかったので、結構おどろきました。
ReHacQは後藤さんやひろゆきさん、成田さんなど、対談相手となる方も面白い方が多いので、即見ましたよねw
その動画内で、「評価経済社会」という岡田さんが以前に出版された本の、2018年版だと言うので。
「僕たちの洗脳社会」を読み、「評価経済社会」をどうやって紙で手に入れてやろうかと考えていた自分には、読むのが必然な流れとなっていたのです。
最近の自己啓発本の「なれる自分になる」の根本が分かった
10年ほど前に出版された「7つの習慣」は、ベストセラーとなりいろんな影響を世界に与えたように感じています。
その中で触れられているのが、求められたり強制される「なるべき自分になる」のではなく、自分が大切にしている価値観を元にした「なれる自分になる」ことだと、ざっくり思います。
それ以降の自己啓発本を全て読んだわけではありませんが。(そこまで自己啓発本は好きではないので・・・)
自分が読んできたものや、コーチングなどのビジネスを行っている方の主張を、ざっくりと見る限りでは。
可能性を追いかけるよりは、自分の中の可能性を見つけ出して磨くことを勧めるものが多い気がします。
すこし話がずれましたが、このような変化が起きた理由を、価値観の変化が起きたとして捉えることができるのが、「ユーチューバーが消滅する未来」です。
1章の「未来予測するための3大法則」として上げられていますが。
僕が見るところ、現在進行している、価値観の変化は、次の3つにまとめられます。
①「第一印象主義」
②「考えるより探す」
③「中間はいらない」これを押さえておくと、現在の出来事を理解し、未来を予測しやすくなります。
第1章 未来予測の3大法則 P.27
それぞれについてどの様な変化かを説明され、2章以降で様々な観点と実際に起っていることから未来を予測されています。
一つずつ扱うと、この記事では足りないので・・・
全てを読んだ感想で書いてみると。
自分の価値を見出す(という言い方をするとちょっと違う気もしてしまうんですが・・・本の言い方で言うと、「乱世を生き抜く」です。)には、どの様な分野であれ、関わることや所属することを決めたなら、なれる自分になることが、未来に順応する近道である。
ということです。
必要とされる仕事が失われる代わりに、仕事じゃないと思われていたところから仕事が次々と生まれていく。それがこれからの仕事の姿です。
序章「未来格差」に備える P.18
・・・「生き残るための仕事の見つけ方」をお教えしましょう。
その方法は、2つだけ。
うまくやっている人の役に立つか、うまくやっている人の機嫌を取るか、どちらかです。
終章 未来の幸福論 P.204
この序章と終章の一文は、個人的にはリンクしているように感じています。
仕事じゃないけど関わっている分野や組織が価値を生む可能性があるというとは、その分野や組織に何かしらの貢献をする価値を自分が持つことで、それが仕事になります。
うまくやっている人は、それらの分野や組織を引っ張ったり評価する立場の人でしょう。
その人が価値を感じる人間になるということが、「生き残るための仕事」であると。
終章の文章だけだと他力本願というか、太鼓持ちのようなイメージになるかもしれませんがー。
序章の分を組み合わせると、仕事じゃないのに関わるもの、つまり、自分自身が興味や関心、面白みを感じる部分で、上位の立場にいる人に気に入られる。
ということであれば、それは仕事ですし。
何より、とりあえずお金を稼ぐとか、そういった目的からは離れている。
人間らしい生き方の延長線上にあるという意味合いでは、かなり良い仕事だと思います。
このような価値観になっている現代だからこそ、「なりたい自分」よりも「なれる自分」を勧める。
「なれる自分」の方が、自分にも関わる人にも、価値を提供できる存在になれる。
ということなんだなぁと。自分の影響力を最大限に活かせる方法なんだなぁと。
ただし、それは仕事とか一つの分野に限った話ではないのが、この本から読み取れる難しいところでもあります。
仕事以外の趣味や恋愛や家庭や社会など。
自分が関係するところそれぞれで、「なれる自分になる」ことで、相乗効果として人生を楽しむことができる。
ある意味では、それぞれでポジションや立場、言ってしまえば人格を使い分けるようなニュアンスにも感じたので。
それさえも楽しむ心の余裕を持つ必要があるんでしょう。
心の余裕を持つための一つの要素が、未来予測であり、それに合わせて自分の行動を決めるということだと思います。
「変わるもの」と「変えるもの」を意識する
「ユーチューバーが消滅する未来」の売出しのような、この本に書いていることが的中していることを確認するだけだったら、面白い本で終わってしまいます。
この本で書いている範囲の未来は知れても、実際に自分に起こる範囲での未来予測にはなりません。
なので、未来予測をどうやって行くか?まで考える方もいると思います。
個人的には、この本の序章・第1章・終章を読み込むことで、岡田さんの未来予測の手法の一部を知り、身につけることができるんじゃないかと。
そんだけ的中してるんだったら、その考え方を身に着けたいですしw
まずは、序章を読み込んで、「未来格差」と表現されているように、個人レベルでも未来予測が必要であるという認識を持ちましょう。
いままでは、親や先生、上司が正解っぽいものを提示できて、それに沿ってればそれなりの生活ができたかもしれませんが。
今は正解っぽいものを提示できる人は限られている・・・というか、ほぼいない様な気がします。
「〜の方が良い」ぐらいにしか言えないんじゃないかなと。
なので、個人で未来予測を行い、人生を選択するしかありませんし、そのように半強制されている状態とも考えられます。
未来予測をどう行うか示されているのが第1章で、前節で引用したとおりです。
価値観の変化を感じ取り、それにどの様に順応するかを選択します。
現在の価値観の変化として上げられていた3つを考えてみると。
①と③は観測するもの(人がどう反応し選ぶかを見ること)で、②だけは自分で体験するもの(自分自身がすでにやっているかもしれないこと)と、自分の中では分けました。
どの様な人や組織が選ばれるかを、自分の興味・関心の中で知り。
その中で、自分が価値を提供できる場所を探す。
自分が作り出す側になる場合、観測した結果を自分で再現するという感じでしょうか。
結果的に作り出す側になってた!・・・じゃないと、間に合わないというか。再現はできないような気はしますが。
このように価値観の変化を追う方法を把握します。
そして、どの価値観がどの様に変化するかは、技術を見るのが一つの手法だともわかります。
たいていの技術は、まず研究者が「原理的にはこういうこともできる」と論文などで発表するところから始まります。研究が始まってから10年くらいすると、「何とか実用できるかも」という取っかかりが見つかることがある。それから10年すると「あとはコストの問題だ」ということになってきて、さらに10年くらいかけて社会に普及してくる、という流れをたどることがほとんどなのです。
第1章 未来予測の三大法則 P.39~40
ニュースやコミュニティ内で話題になっている技術によって、何がどのように変わり、その結果人々の行動や価値観がどの様に変わるかを考えて予測します。
あ、考える範囲は、自分の考えたい範囲(人によっては社会とか世界とか規模が大きいかもしれません)で良いと思いますが。
そして、その技術が、引用部分のどの10年に当たるかで、いつ頃考えた変化が起きるかを予測します。
現段階だと、AIがそんな感じですかね。
AIは社会全体に影響を与えますが、普及という面ではまだかなと。
まだ「楽しい!」「面白い!」レベルのような気がしますが、AI導入のネックになっているのがどうも開発コストや導入コストらしいので。
ただ、そのコストについては既に言われていることでもありますし、開発環境や設備などの状況から、10年は確実に切っているでしょう。
多分、この本の副題の「2028年」頃は現実的だと思います。
これを、自分が参加又は所属を決めた分野や組織に当てはめて考えることで、どのように達振る舞うかを決めることができます。
最後に終章では、ある意味ではマインドですね。
一時期「ディストピア」という言葉が色んなところで使われていました。
また、ニュースや社会の情勢を見ていると、なんとなく暗い部分を見ないための空元気のような状態に見えます。
なので、今の世界を包んでいる本当の雰囲気は「不安」なんだと思います。
そんな中で、今まで安心を提供してくれるはずだったものの土台がゆらぎ。
ある意味急に自分自身で考える必要のあることが増え、色んな選択をしないと行けなくなったので。
モヤッとしながら何とか切り抜けている、という状況とも思えています。
そのような状態の中、どのような精神で挑むべきかを最後に「未来の幸福論」として勧めています。
なので、技術が「変える」、価値観という「変わるもの」ものを、どの様な気持ち・精神で捉えるかまで教えてくれている本です。
この本も「どのように」楽しむかですよ
いやぁ。なんとなくこの筋が見えてから、ここまでを自分なりにまとめるのが大変でしたw
岡田さんの文体が優しくて、スッと入ってそのまま受け止めちゃうんですよw
とはいえ、やはり考える楽しさを感じさせてくれますし、その元となる内容も納得感を持って読むことができるので。
どんな読み方をするにしても楽しめる本です。
タイトルから「ユーチューバーは興味ないから〜」と思っている方。
自分もユーチューバーには興味ありませんが、自分の身になった本だとオススメできます。
楽しみ方も、選択してしまいましょう。
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